ある晴れた日曜日、
私は近所にあるホームセンターへ
ベニヤ板を買いに愛車のサニーを走らせていました。
はな歌混じりで運転していると
途中、交通渋滞に巻き込まれてしまいました。
信号が変わったのに1cmたりとも前に進みません。
おまけに交差点の中まで車が連なっています。
「仕方がない。奥の手を使おう。」
そうつぶやいた私は
おもむろに体重を移動し、
30cmしかない車のすき間を
F−1ドライバー顔負けのスーパーテクニックで
縫うようにすり抜けていったのでした。
他のドライバーは唖然としてただ見守るだけでした。
ホームセンターの駐車場に到着した私は
車から降りて建物の方へと歩いて行きました。
頭の中は、お目当てのベニヤ板を買うことでいっぱいでした。
ふと、気配を感じて右横を見ると
見たこともないような生物が私の横に並んで歩いています。
体長約50cm、鳥のようにも見えましたが
とても頭が大きく、2等身しかありませんでした。
身体の模様は白と黒の霜降りで、ヤマセミのようでした。
生物学者でもある私はすぐにこの鳥が
「ダルマガモ」であることが分かりました。
しかし、それほど名前に自信がなかったので、
そばにいた動物園のおじさんに話しかけてみました。
「この鳥は何という名前ですか?」
「ああ、マダラアヒルだよ。」
この返事に私は衝撃を受けてしまいました。
マダラアヒルなんて鳥は聞いたことがなかったからです。
(そんなはずはない。この鳥はダルマガモだ。そうに決まってる・・・。)
私は悩んでしまいました。
ギャー
と、足下で鳥の首を絞めたような声がしました。
ああ、何ということでしょう!
悩みながら歩いていた私は
いつの間にかこの鳥を踏んづけていたのです!!
「ああ、大変なことをしてしまった。
私は世界に一羽しかいないこの鳥の
尊い生命を奪ってしまったのだ。」
私はせめてもの償いに、この鳥を地面に埋めてやることにしました。
5cmほど掘ったところで、
私は両手にやわらかな物体が触れるのを感じました。
(なんだろう?)
そう思ってさらに掘り続けると、どうでしょう!
何と地面からダルマガモが生えてきたのです!!!
「ああ、奇跡だ!」
後から後からわき出てくるダルマガモ!!
あっという間にホームセンターの駐車場は
ダルマガモだらけになってしまいました。
この駐車場には現在これを記念して、
私がダルマガモを踏んづけている銅像が建っています。
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